【番外編】なんちゃってインタビュー

大学の課題で『題材は何でも構わないので15分間誰かにインタビューしてみよう』というのがあったので、旦那にジェットコースターについて聞いてみたんだが、参考までに和訳してここに載せておく(※本人の許可済)。


―――ジェットコースターに乗り始めたのは最近とは言え、既にかなりの機種に乗ってるよね。今のところどれくらい乗ってるっけ?

旦那 200くらいかな。

―――子供の頃からずっと高所恐怖症なんじゃなかった?

旦那 うん、そのおかげでジェットコースターみたいな乗り物はずっと避けてたね。

―――何か『乗ってみたい』って思わせるような出来事はあったの?

旦那 特別な出来事みたいなものはなかったけど、まあある日高所恐怖症の自分が嫌になったというか。

―――いつ頃だっけ?  

旦那 2年前の夏かな。 ケニーウッドKennywood)に行くたびにファントムズ・リベンジPhantom’s Revenge)・・・自分が子供の頃はスチールファントム(Steel Phantom)だったわけだけど、ファントムって見るたびに『すげー怖そう』って印象しかなかったんだよね。めちゃくちゃ高いし、車両が谷底に消えてくイメージが頭から離れなくて。ただたまたまCoaster StudiosのYouTube動画を見て評価が高いジェットコースターってのだけは知ってた。で、ある日本当に何となく『乗ろう!』って思って乗ってしまったのが全ての始まり。

―――こっちはいきなり一人で乗りに行くからビビったけど(笑)初めて乗ったファントムの感想は?

旦那 うーん、当たり前だけど恐ろしかった。巻き上げもめちゃくちゃ遅いし、目を開けてるだけで必死。でもいざファーストドロップに入ったら『え、これはもしかしてめちゃくちゃ楽しい?!』っていう。今でもファントムの巻き上げは高所恐怖症の人には最悪と思うよ。時間かかり過ぎて『俺今何でこれ乗ってるんだろう』って後悔する(笑)

―――そんなに遅いっけ?巻き上げどれくらいかかる?

旦那 1分もかからないと思うけど、高所恐怖症の人間にとっては世界で一番長い1分間なんじゃないかと。

―――でもそれをサバイバルできて、勢いで200も乗っちゃったと(笑)高所恐怖症は克服したってこと?例えばバンジージャンプとかジップラインとかもやってみようと思ったりは?

旦那 どうだろうね。何年か前はジェットコースターに乗ること自体が想像すらできなかったけど、高い所とか飛行機から飛び降りるのは楽しめるかどうか・・・。

―――なるほど。ジェットコースターは特別ってことなのかな。

旦那 ジェットコースターってのは俺にとっては始まりと終わりのあるサーキットなんだよね。コントロールされた空間。あと、ジェットコースターは一つ一つデザインが違うから乗った時のスリルももちろん違ってくる。それに比べてスカイダイビングとかは・・・いっつも飛行機から落ちるだけじゃんみたいっていう(笑)

―――じゃあ今まで乗った200機種の中で一番気に入ってるのは?

旦那 今のところシダーポイントCedar Point)のスチール・ベンジェンスSteel Vengeance)かな。

―――その理由は?

旦那 ジェットコースターに乗ってて特に好きなのは一時的な無重力感・・・座席から投げ出されると同時にキャッチされる感覚なんだけど、スチールベンジェンスで感じられる無重力感は最高だと思うんで。

―――ほうほう。じゃ、逆にできれば乗りたくないなっていうのはある?そしてその理由は?

旦那 うーん、ショルダーハーネスは快適じゃないのが多いからあんまり好きじゃない。でも怖いから乗りたくないっていうのはもうないかな。世界で一番高いの乗っちゃったからもうそのハードルは越えた感がある。

―――キンダカKingda Ka)だよね、ニュージャージーの。

旦那 そう、450フィート前後だったかな。

―――乗った時の感想は?

旦那 正直世界一高いジェットコースターにしては期待外れで、あまり面白いと思えなかった。記憶にあるのはショルダーハーネスで肩が擦れて痛かったことだけっていう(笑)

―――あーあ・・・。今はケニーウッドとかシダーポイントとかシックスフラッグスとか全部冬で閉まってるわけだけど、何か月かジェットコースターに乗れないのは気分的にどう?

旦那 個人的には夏のジェットコースターの楽しみが増すから良いことだと思ってる。目標があるというか。毎年リセットできるから、毎年フレッシュな気分で既に乗ったことのある機種も乗れるし。

―――ずばり今年の夏の予定は?

旦那 今のところキングスアイランドKings Island)、ホリデーワールドHoliday World)、あとドリーウッドDollywood)。2人とも正社員で働いてるからどうしても週末に弾丸遠征になるのがちょっとね。ケニーウッドは30分で行けるから今年もしょっちゅう行くだろうけど。

―――奥さんもジェットコースターマニアですし(笑)

旦那 よくジェットコースターについて意見が分かれるのが玉に瑕ですが(笑)いや冗談抜きで、うちは娘もいるから家族全員で外に出て体動かすってのは基本的に良いことだと思ってる。

―――かなり大きな遊園地もあるしね。

旦那 そうそう。気がついたら2~3万歩くらい歩いてたってザラだし。

―――今年一番楽しみにしてるジェットコースターは?

旦那 ドリーウッドのライトニングロッドLightning Rod)。世界一速い木製コースターで、一番好きなメーカーのRMC設計なんで。

―――スチールベンジェンスもRMCと。

旦那 そう。ライトニングロッドのレビュー読んだり動画見たりする限りではこれは絶対自分には当たりのコースターだろうなあと思ってる。スチールベンジェンスを超える可能性もあるかも。乗ってみるまでは何とも言えないけど。

―――期待通りだと良いんだけどね・・・。じゃあ最後に、ジェットコースターに乗ってみたいけど怖くて乗れないよって人にアドバイスを一言。

旦那 物は考えようってところかな。自分も怖いとまでは行かなくても未だに乗るときにちょっと緊張することはあるわけだけど、最初から『これは高過ぎる』とか『これは速過ぎる』とか決めつけてたら楽しめるものも楽しめなくなる。『絶対楽しんでやる!』みたいに無理やり勢いつけたらあんまり失敗しないんじゃないかな(笑)

奇跡のリベンジ

Low-Profile Train of Phantom’s Revenge © 2020 h42m47

第2のホームパークはキングスアイランドKings Island)と言ったが、第1のホームパークは我が家から車で30分ほどのところにあるケニーウッドKennywood)だ。

1899年から営業している老舗の遊園地(※1)。規模は比較的小さいのだが、世界に一つしかないジェットコースターが多いというのが一番の強みで、古い順に並べてみるとこうなる。

  • ジャックラビットJack Rabbit)― 木製地形利用コースター。1920年オープン。
  • サンダーボルトThunderbolt) ― 木製地形利用コースター。1924年オープン。1967年改築、ピピン(Pippin)より改名。
  • レーサーRacer) ― 木製メビウス型レーシングコースター。1927年オープン。
  • ファントムズ・リベンジPhantom’s Revenge) ― 鉄製地形利用ハイパーコースター。1991年オープン。2001年改築、スチールファントム(Steel Phantom)より改名。
  • スカイロケットSky Rocket) ― 鉄製ランチコースター。2010年オープン。
  • スチールカーテンSteel Curtain) ー 鉄製ハイパーコースター。2019年オープン。

スピニングコースターのエクスターミネーターExterminator)ですら屋内型はケニーウッドの他に1か所しかない。またジェットコースターに限らずフラットライドもユニークなものが数基あり、自然とエアタイムでハンズアップになるカンガルーKangaroo)に未だに乗れるのもこの遊園地だけだったりする。

ケニーウッドのジェットコースターの中で特に注目してもらいたいのはやはりファントムズ・リベンジ。近年木製コースターのRMC社によるハイブリッド化が人気だが(日本では2019年ナガシマスパーランドに白鯨がオープン)、そのトレンドが始まる以前にアローArrow Dynamics)のスチールファントムを悪評高いルーピングコースターからエアタイム満載の世界唯一の地形利用ハイパーコースターに生まれ変わらせたのがスチールドラゴン2000で有名なモーガンMorgan)だ。

モーガンはGがかかり過ぎて痛いと苦情の多かったループやコークスクリューを取り除くなど大掛かりなレイアウトの変更を行っただけでなく、車両の改造も行い、ショルダーハーネスはシンプルな棒状のラップバーに変わった。このラップバーが笑えるほどスカスカで、イジェクタ―(ejector/投げ出されるようなエアタイム)では時折安全性を疑うほど体が滑り出る。アローの車台を再利用しているため目線も低く、最高速度も時速130km以上でかなりスリリングな乗り心地になっている。

残念ながらファントムズ・リベンジはモーガン最後の大掛かりなプロジェクトとなってしまい、この改造車両が他の遊園地に普及することはなかった。オーナーは2001年に引退し、全ての資産をライバルのチャンスChance Rides)に売り払っている(※2)。皮肉なことにRMCの創立は同じ2001年。木製の改造はRMC、アローの改造はモーガンなんて世界線もありえたのかも知れないと思うと非常に悔やまれる。

日中に乗っても十分に楽しめるファントムズ・リベンジだが、地形利用コースターのご多分に漏れずナイトライドも秀逸。ハロウィンイベントのファントム・フライトナイトPhantom Fright Night/通称PFN)では正に主役であり、遊園地全体が照明を落としている中真っ暗闇に吸い込まれるセカンドドロップでは毎回アドレナリンが出てしまう。PFNは年パス所持でも追加料金がかかるのだけれど、『ケニーウッドのケチ!!』と文句を言いながらも毎年1回は行ってしまうのはそれだけの価値があるからだ。

長くなってしまうので他のジェットコースターについてはまたの機会に。地元バイアス抜きにしてもかなりユニークな遊園地なので、もっと知名度が上がれば良いなあと思っている。

ファーストよりもセカンドの方がドロップが大きい。

※1 元々は路面電車の終点に作られたトローリーパークtrolley park)だった。今はバスは通っているが残念ながら電車は通っていない。

※2 チャンスのライトニング・ランLightning Run)はコスパ最強の優良コースターなのに何故このHyper GT-Xというモデルが普及していないのか未だに謎。