さようならボルテックス

Vortex During WinterFest © 2020 h42m47

とうとうキングスアイランドKings Island)のボルテックスVortex)の撤去が始まったそうだ。

一昨年ファイアーホークFirehawk)のクローズが発表された時はフライングコースターが大好きな自分にとってはかなりショックだったが、部品の入手が困難でもうこれ以上メンテができないと聞いており、跡地にB&Mのギガコースターが入るいう噂もあったので仕方がないと割り切れた(※1)。流石にループが取り壊される映像を見たときには鼻の奥がツーンとしてしまったが。

それに比べてボルテックスは見た目はとても格好良いけれど、アロー社のショルダーハーネス(OTSR)はうまく乗らないと必ず頭を打つし、巻き上げはやたら遅い上に何ならたまに途中で止まってしまうしで、自分の好きなコースターからは程遠い・・・はずだった。

事の始まりは去年5月のコースターストック(CoasterStock)。このイベントの目玉の1つに閉園時間から真夜中までのERT(Exclusive Ride Time/参加者にのみいくつかのライドが開放される)があり、真っ暗な林の中を走り抜けるビーストThe Beast)のERTはマニアに特に人気で、自分もご多分に漏れず友達と乗りに行った。

そのビーストから満足して降りた直後に見えたのがゴトゴトゴトゴトと大きな音を立てながら走るボルテックスの空車両。ERTのリストに含まれてはいたものの、参加者の大半はビーストやダイアモンドバック(Diamondback)、そしてミスティック・ティンバーズ(Mystic Timbers)に流れていかんせん人気がなさそうな雰囲気。

直感的に『これは今乗らなあかんかも』と思い、痛そうだから嫌とゴネる友達を置いて乗り場へ行ってみると、案の定他には誰もいない。しかし3台律義に走らせているようで、スタッフさんが再び空出ししようとしていた車両を慌てて止めて乗せてくれた。そして『クリア!』と笑顔で親指を立てて自分1人をディスパッチ。ゴトゴトゴトゴトうるさく自己主張するジェットコースターに暗闇の中ぼっちで乗っていることがひたすら可笑しく、コークスクリューでハーネスに頭を打ちそうになることなんてどうでも良くなってしまっていた。

そう、人生初のゼンライドZen Ride/車両にたった1人で乗ること)を経験させてくれたのがボルテックスだったのだ。その後乗り方のコツを覚えたらハーネスはあまり気にならなくなり、偶然スタッフさんの『僕はボルテックスを愛しています』『雨の日には車両を磨いたりしています』なんていう話を読んでしまったりもして(※2)本気で愛着が沸いてきた矢先のクローズの発表だった。10月のホーントHaunt)の期間中に乗り納めには行けたものの、もっと乗れる時に乗っておけば良かったと今更悔やんでいる。

11月のウィンターフェストWinterFest)ではボルテックスの横の通り道は例年通りシンプルな照明で飾られたツリーが並ぶ以外はひっそりとしていた。前年と違ったのは自分と同じようにもう二度と動くことのないジェットコースターを立ち止まって見つめるマニアが数人いたことだけだ。

Rest in Pieces, Vortex.

しかしこう見ると巻き上げは冗談抜きに遅かった・・・。

※1 2020年4月11日オープン予定のオリオン(Orion)。決してオニオンではない。

※2 このスタッフさんのブログ、日によって変わるウィンドシーカー(WindSeeker)からの景色や流れた曲のことも書かれていて素敵だったのに今はなくなっていてとても残念。